「着物を着るときのメイクって、普段通りでいいのかな?」
成人式や結婚式、七五三など特別な日に和装をすると、そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。実は、着物に似合うメイクにはいくつかのポイントと注意点があります。普段のメイクのままだと、せっかくの華やかな着物姿が写真に映らなかったり、顔がぼんやり見えてしまうことも…。
私はこれまで10年以上、成人式や和装に携わってきました。その経験から、着物をより美しく引き立てるメイクのコツや失敗しやすい注意点をお伝えします。初めて和装メイクをする方も、これから成人式や式典を迎える方も、ぜひ参考にしてください。
着物メイクの基本|普段とどう違う?
着物はそれ自体がとても華やかで存在感のある衣装です。そのため、普段のナチュラルメイクのままだと着物に負けてしまい、全体のバランスが崩れてしまいます。和装に合うメイクは「普段よりも少し濃いめ」を意識することが大切です。
和装メイクのポイント
- 普段よりもしっかりめに仕上げる
→ 写真映えしやすく、着物とのバランスが取れる。 - 色味を強調しても上品に見える
→ 着物の柄や色と調和させると、統一感が生まれる。 - ナチュラルにしすぎない
→ 薄すぎると「顔がぼんやり」して、せっかくの着物が映えない。
私自身も、普段通りのメイクをしてきた方に「なんだか着物と合わない…」と相談されることが何度もありました。そこにリップやチークを少し足して、眉を整えるだけで一気に和装らしい凛とした印象になるんです。
つまり着物メイクは「普段より濃いめ&華やかに」が基本の合言葉。ちょっとの工夫で、ぐっと写真映えする和装美人に近づけますよ。
ベースメイク|陶器肌を意識する
着物メイクにおいて一番大事なのが ベースメイク。洋装と違い、着物には「マットで上品な質感」がよく似合います。
着物にはマット肌が合う理由
- 着物は柄や色が華やかなので、ツヤ肌だと光を反射してテカって見えやすい
- マット肌は落ち着いた印象を与え、和装のクラシカルな雰囲気に調和する
- 写真に残すときも、余計な光の反射を防ぎ、美しい仕上がりになる
陶器のような肌を目指すと◎
和装にぴったりなのは「陶器のような、なめらかな肌」。
- 下地で毛穴を整える
- リキッドやクリームファンデで均一にカバー
- 仕上げにルースパウダーを重ねてサラッとした質感に
これだけで、シミや色ムラが目立たず、上品で清潔感のある肌に仕上がります。
撮影や長時間着用での注意点
成人式や式典では、屋外での写真撮影も多いもの。外の光は顔のテカリを強調してしまうため、パウダーは必須です。とくにTゾーンやあご先は念入りに仕上げておくと安心。
私の経験から
振袖を着られる方はツヤ肌仕上げを希望される方も多いのですが、実際に写真に撮ると「テカって見える」ケースがほとんどでした。逆に、パウダーでしっかりマットに仕上げた方は、時間が経っても崩れにくく、写真で見ても「すごくきれい!」と喜ばれることが多いんです。
着物を着る日は、「マット×陶器肌」を意識するだけで印象がぐっと引き締まりますよ。
アイメイクと眉|印象を決めるポイント
着物はそれ自体がとても華やか。普段のナチュラルメイクだと、どうしても顔がぼんやりしてしまうため、アイメイクと眉メイクは少し濃いめに仕上げるのがおすすめです。
アイメイクのポイント
- 着物の色に合わせると統一感アップ
→ たとえば赤い花柄の振袖なら、アイシャドウにほんのりボルドーを。青系の帯なら、ネイビーやグレーを取り入れると上品。 - 発色は普段より濃いめに
→ 撮影のとき、自然光や照明で色が飛んでしまうことが多いため、写真で映えるように少し濃いめを意識しましょう。 - パールやラメは控えめに
→ 和装にはギラギラした光より、しっとりした質感の方が似合います。細かいパールでツヤを足す程度が◎。
眉メイクのポイント
眉は顔の印象を大きく左右します。なりたい雰囲気に合わせて形を変えてみるのがおすすめです。
- アーチ型 → 優しい・女性らしい印象
- 直線型 → クール・モダンな印象
とくに成人式や振袖の場合は華やかさを意識して少し太めに、訪問着や入学式などでは落ち着いた雰囲気に合わせて形を整えると好印象です。
私の経験から
見ていて感じるのは、眉とアイメイクの濃さが仕上がりを大きく左右するということ。薄めに仕上げると写真ではどうしても顔がぼやけてしまい、「せっかくの着物に負けてしまう」ことが多いんです。逆に、普段よりしっかり発色させると、着物に負けず映える仕上がりになります。
リップ|華やかさと持ちを重視する
着物メイクにおいて、リップは顔全体の印象を引き締める最重要ポイントです。特に振袖や華やかな着物では、普段よりも少ししっかりと色をのせることで、ぐっと和装らしい雰囲気に仕上がります。
リップメイクの注意点
- 粘膜近くまで塗らない
粘膜ぎりぎりまでリップを塗ると、笑ったときに歯についてしまいがち。「歯紅」になっていると写真に残ってしまうので注意が必要です。 - 歯につきやすいリップのNG例
明るめの赤や濃い色を粘膜近くまでしっかり塗ると、特に付着しやすくなります。実際、「笑顔の写真を見返したら歯に口紅が…」というケースを何度も見てきました。
持ちを意識したリップ選び
- 長時間ならティントタイプが安心
成人式や結婚式など、朝から長時間着物を着るときには、色持ちのいいティントリップがおすすめです。グラスに色がつきにくく、食事をしても落ちにくいので安心。 - 重ね塗りで調整
ツヤのあるルージュを重ねれば華やかさも出せますし、ティントだけでは乾燥が気になる方にも◎。
色選びのコツ
- 着物に入っている色と合わせる
赤系の花柄なら深みのあるレッドやボルドー、淡いパステル系の着物ならピンクやコーラルが映えます。 - 訪問着や上品な場面では控えめに
フォーマルな場では落ち着いたローズ系やヌーディーなカラーを選び、上品にまとめるのもおすすめです。
チークとカラーのバランス
着物メイクでは、チークの入れ方や色選びが全体の雰囲気を大きく左右します。特に写真を撮るシーンが多いので、写真映えを意識したチークの工夫が必要です。
写真映えを意識したチークの入れ方
- 写真撮影ではライトの影響でチークの色が飛びやすい
- そのため、普段より少し濃いめにのせるのがポイント
- 頬骨の高い位置に丸く入れると、和装らしい可憐な雰囲気に
シーン別のチーク&カラー選び
- 訪問着や式典シーン(七五三・入学式など)
控えめで上品な印象が求められる場面では、パール感のあるベージュピンクやローズ系を選ぶと◎。華やかさを出しつつ落ち着いた雰囲気に仕上がります。 - 成人式や華やかな振袖
主役感を出すなら、着物に入っている色を拾ったカラーメイクがおすすめ。赤やピンク系のチークを少し強めに入れると、写真にも映え、若々しさと華やかさが引き立ちます。
バランスの取り方
- リップやアイメイクを強調する場合は、チークは引き算してナチュラルに
- 全体がぼやけそうなときは、チークで血色を足して調整
撮影時や屋外で気をつけたいポイント
着物姿は、写真に残ることが多いもの。成人式や式典では屋外撮影も増えるため、時間が経っても美しい状態を保つ工夫が必要です。
- テカリ対策は必須
屋外撮影では自然光が当たり、少しのテカリでも目立ちやすくなります。Tゾーンや頬などは、ルースパウダーでマットに仕上げるのがおすすめです。写真写りも一気に上品に。 - 長時間崩れにくい工夫
成人式やお祝いの場は長時間になることが多いため、ティントタイプのリップや皮脂崩れ防止下地を取り入れると安心。特にリップは笑ったときに歯に付かないよう、内側には塗りすぎないことがポイントです。 - 表情映えを意識
屋外撮影では光に色味が飛びやすいので、写真用にチークを少し強めに足すと健康的で華やかな印象に仕上がります。
まとめ|着物メイクを成功させるコツ
- 「マット肌・普段より濃いめ・写真を意識」が基本
- リップやチークなど、ちょっとした注意点で仕上がりが大きく変わる
- 成人式・七五三・訪問着…シーンに合わせた調整がポイント
着物は特別な日の装い。普段の延長ではなく、「特別な日のためのメイク」を意識することで、より自分らしい美しさを引き出すことができます。
ぜひちょっとしたメイクのコツで素敵な日を過ごしてみてください!
コメント